監査法人からコンサルへ──トーマツ・KPMG・PwC出身者のキャリアパス
2025.12.08
2024年、国内企業のランサムウェア被害は過去最高を記録しました。個人情報漏洩、システム停止、身代金要求──サイバー攻撃は、もはや「あるかもしれない」リスクではなく、「必ず起こる」前提で対策すべき経営課題となっています。
こうした状況下、サイバーセキュリティコンサルタントの需要が急速に高まっています。特に、デロイト トーマツ サイバー合同会社(DTCY)などBIG4系のサイバーセキュリティ専門ファームでは、未経験者も含めて積極採用を進めています。
2016年に設立された、デロイト トーマツ グループのサイバーセキュリティ専門会社。企業のサイバーリスク対策を総合的に支援します。
企業データ
設立:2016年
本社:東京都千代田区
従業員数:約500名(推定)
サービス:サイバーセキュリティ戦略策定、SOC構築、インシデント対応、セキュリティ診断など
働き方
フレックスタイム制度
リモートワーク可(プロジェクトによる)
入社後の育成制度
デロイトトーマツサイバーでは、入社後に以下のような研修・OJTが用意されています。
・セキュリティ基礎研修(3ヶ月)
・資格取得支援(CISSP、CEH、情報処理安全確保支援士など)
・OJTでのプロジェクト参画
・メンター制度
1. サイバーセキュリティ戦略策定
企業のセキュリティポリシー、ガバナンス体制の構築を支援。経営層へのリスク説明、予算確保のサポートも含まれます。
2. セキュリティアセスメント
現状のセキュリティレベルを診断し、脆弱性を特定。改善計画の策定まで実施。
3. SOC(Security Operation Center)構築支援
24時間365日でサイバー攻撃を監視する体制の構築。監視ツールの選定、運用ルールの策定を支援。
4. インシデント対応
サイバー攻撃を受けた企業の緊急対応。侵入経路の特定、被害範囲の調査、復旧計画の策定。
5. OT(Operational Technology)セキュリティ
製造業の工場、プラント、インフラ設備など、制御システムのセキュリティ対策。IoT機器のセキュリティも含む。
サイバーセキュリティ業界は、慢性的な人材不足に悩まされています。そのため、多くの企業が「未経験者」や「コンサル未経験者」にも門戸を開いています。
・ITに関する基礎知識
・論理的思考力
・学習意欲(新しい技術・脅威へのキャッチアップ)
・コミュニケーション能力(顧客への説明)
ケース1:ITエンジニア→サイバーセキュリティコンサルタント(28歳)
SIerでインフラエンジニアとして5年勤務。セキュリティに興味を持ち、情報処理安全確保支援士を取得してデロイトトーマツサイバーに転職。年収は580万円から750万円にアップ。
現在の業務:金融機関のセキュリティアセスメント、SOC構築プロジェクトのメンバー
ケース2:監査法人→サイバーセキュリティコンサル(32歳)
BIG4監査法人でIT監査を担当。内部統制の知識を活かし、DTCYにシニアコンサルタントとして転職。年収は820万円から1,050万円に。
現在の業務:上場企業のサイバーセキュリティガバナンス構築、取締役会向けリスク報告資料作成
典型的なキャリアパス:コンサルタント(入社時)→(3〜5年)→シニアコンサルタント(3〜5年)→マネージャー(5〜7年)→シニアマネージャー / ディレクター→パートナー
・事業会社のCISO(Chief Information Security Officer)
・セキュリティベンダー(営業・技術職)
・独立(セキュリティコンサルタント)
・ベンチャーキャピタル(セキュリティ領域の投資担当)
サイバーセキュリティ市場は、今後も高成長が見込まれています。
国内市場規模:2025年に約1.7兆円(2020年比1.5倍)、人材不足:2030年までに約30万人不足(経済産業省試算)
つまり、今サイバーセキュリティ領域に転職すれば、少なくとも10年は需要が尽きることはないと言えます。
✓ ITに興味があり、技術を学び続けられる
✓ 社会貢献性の高い仕事がしたい
✓ 専門性を武器にキャリアを築きたい
✓ 高年収を目指したい
✓ 成長産業で働きたい
サイバーセキュリティコンサルタントは、技術とビジネスの両方を理解し、企業を守る「デジタル時代の守護者」です。今、この領域に飛び込むことは、将来にわたって市場価値の高いキャリアを築く絶好の機会と言えるでしょう。