監査法人からコンサルへ──トーマツ・KPMG・PwC出身者のキャリアパス
2025.12.08
「年収2,000万円以上」「M&Aディールの最前線」「経営層との直接対話」──投資銀行・M&Aアドバイザリーの世界は、金融業界の中でも特に高い専門性と報酬水準で知られています。
しかし、その分参入障壁も高く、「どうすれば転職できるのか」「どんな経験が必要なのか」という情報は限られています。本コラムでは、ロスチャイルド・アンド・コー・ジャパンやBIG4 FASなど、トップティアのM&Aアドバイザリーファームへの転職を解説します。
投資銀行(インベストメントバンク)
ロスチャイルド・アンド・コー・ジャパン、ゴールドマン・サックス、JPモルガンなど。M&Aのセルサイド・バイサイド双方のアドバイザリーを提供。資金調達、株式発行なども手がける。
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)、KPMG FAS、PwCアドバイザリーなど。M&Aの**デューデリジェンス、バリュエーション、PMI(統合プロセス)**を中心に支援。
世界40ヵ国に拠点を持つ、世界最大級の独立系投資銀行。日本では2017年に設立され、クロスボーダーM&Aに強みを持ちます。
資本金:9,900万円
従業員数:約20名(日本)
代表取締役:三竹恵一氏
M&Aアドバイザリー(特にクロスボーダー案件)
企業価値評価
資本政策アドバイス
外資系投資銀行としては比較的穏やかな雰囲気で、紳士的な人材が多いとの評価。フラットな組織文化で、若手でも経営層と直接対話する機会が多い。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)
特徴:案件数が豊富、幅広い業界カバレッジ
KPMG FAS
特徴:製造業・ヘルスケア業界に強み
PwCアドバイザリー
特徴:グローバルネットワークを活かしたクロスボーダー案件
求められる経験・スキル
・必須要件
財務・会計の深い知識
財務モデリング能力
M&A関連業務の経験または強い関心
論理的思考力とプレゼンテーション能力
・歓迎要件
公認会計士、証券アナリスト等の資格
英語力(TOEIC 800点以上)
投資銀行、FAS、監査法人での経験
ルート1:監査法人→FAS→投資銀行
監査法人(3〜5年)→FAS(アナリスト、5〜7年)→投資銀行(アソシエイト〜ヴァイスプレジデント)
ルート2:事業会社財務部門→FAS
事業会社 経営企画・財務(5〜8年)→FAS(シニアアナリスト)→投資銀行 or PEファンド
ルート3:コンサル→投資銀行
総合コンサルファーム(3〜5年)→投資銀行(アナリスト〜アソシエイト)
・労働時間
平均週60〜80時間勤務、繁忙期(ディール佳境)は週100時間超も。土日出勤も珍しくない
しかし、その分
20代で年収1,000万円以上が十分可能
30代前半でディレクタークラス(年収2,000万円超)を目指せる
経営層との対話経験、大型案件への関与など、キャリア価値は極めて高い
こんな人に向いている
・高い報酬とキャリア成長を優先
・ハードワークを厭わない
・数字への強いこだわり
・経営レベルの意思決定に関わりたい
・グローバルな視点を持ちたい
投資銀行・M&Aアドバイザリーは、金融業界で最も高度な専門性と報酬を得られるキャリアです。激務ではありますが、そこで得られる経験とスキルは、その後のキャリアで計り知れない価値を持ちます。